患者満足度の評価指標

 医療機関が患者満足度を調査する場合、▽当院を選択した理由▽アメニティ▽職員の態度▽説明の分かりやすさ▽クリンネス▽プライバシー保護▽診察待ち時間▽駐車場・案内表示の分かりやすさ――などを評価項目に設定しているようです。結果として、6~8割程度の患者さんが満足orやや満足を選択しているのが現状ではないでしょうか。

 ちなみに、2015年10月1日からエントリーがスタートした「医療機関アワード」(主催:一般社団法人 日本医療ホスピタリティ協会)では、下記の14項目に基づいてホスピタリティ評価を行い、全国、都道府県、市区郡単位等で各地域での優秀な医療機関・治療院を表彰することになっています。

 ☑ 医師の診察の対応(丁寧さ、テキパキ度合い等)
 ☑ 医師の診察に関する説明(聞き取りやすい、わかりやすい等)
 ☑ 予防指導、日常ケア・アフターケアの対応
 ☑ 医師の印象・優しさ、言葉遣い、心配り
 ☑ 医師・スタッフの身だしなみ(体臭、香水、服装などが不愉快でないか)
 ☑ 看護師・スタッフの対応
 ☑ 電話、受付、会計の対応
 ☑ 女性、乳幼児、高齢者等への配慮・心配り(男性もお応えください)
 ☑ 医院全体の清潔度
 ☑ 待合室・ロビーなどの快適度
 ☑ トイレ・洗面台などの快適度
 ☑ プライバシーへの配慮
 ☑ 待ち時間の負担・診察前の待ち時間・診察後の待ち時間
 ☑ 全体満足度

 このような指標を設定することで、多くの医療者にホスピタリティの重要性を再認識していただく意義は非常に大きいと思います。しかし、いわゆる一般的な「臨床指標」に比べると、ざっくり感が否めません。例えば、臨床指標を何年も前から公表している聖路加国際病院の糖尿病患者の血糖コントロール(HbA1c)の計算方法は、「分子:HbA1c(NGSP)<6.5%:HbA1c(日本糖尿病学会)の最終値が6.1%未満の患者数。分母: 糖尿病の薬物治療を施行されている患者数(過去1年間に該当治療薬が外来で合計90日以上処方されている患者)」などと、細かく分析されています。ちなみに、同病院では患者満足度の指標に「意見箱投書中に占める感謝と苦情の割合」を設定しています。

 同病院のような急性期病院においては、患者さんは長く入院しつづけることが難しいのが現状です。DPC対象病院であれば、「入院期間Ⅱ」までに退院できるようなDPC対応クリティカルパスが主要疾患ごとに設定されているでしょう。そんな中、満足度をさらに深堀するのであれば、急性期病院の連携先である医療機関・施設における満足度を紹介した急性期病院にリンクさせるべきなのかもしれません。前回少しふれた“受診中断率”も患者満足度の指標として有力ではないでしょうか。投与日数どおりに受診している患者さんの割合も、患者満足度に少なからず影響していると考えられます。

 本当の満足度を知るには、医療機関の中ではなく、“外”に目を向ける必要があるかもしれません。

参考サイト

医療機関アワード http://medical-award.jp/

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この記事の著者

川越満

川越満

1970年、神奈川県横浜市生まれ。

1994年米国大学日本校を卒業後、製薬企業向けのコンサルティングを主業務とするユート・ブレーンに所属。

コンサルタントとジャーナリストの両面を兼ね備える「コンサナリスト」(商標登録済)として、講演活動、書籍の出版プロデュースなどで活躍中。

医療・医薬品業界のオピニオンリーダーとして、朝日新聞夕刊の『凄腕つとめにん』、マイナビ2010『MR特集』、女性誌『anan』など数多くの取材を受けている。

現在は「業界入門書の制作」と「医師とMRの相互理解促進」を使命として、役立つコンテンツを生み出しつづけている。著作は30冊以上。肩書の「コンサナリスト」とライフワークの「セルフ・ブランディング」を10年前の2004年に商標登録している。

URL:https://consunalist.jp/

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