ホウレンソウは“上司”から

 今回のテーマ「ホウレンソウは“上司”から」は、私が尊敬している友人Kさんのモットーです。
 某企業に勤めるKさんは、社内最年少で支店長に就任し、実績最下位やブービーの支店をわずか1、2年で全国トップクラスの支店に再建し続けました。その手腕が買われ、いまでは常務取締役に出世しています。

 ホウレンソウ(報連相)とは、報告・連絡・相談の頭文字から取ったものです。通常は部下から上司に対して、与えられた仕事の進捗状況や結果を報告し、必要と思われる関係者に連絡し、判断に迷う時は相談してアドバイスをもらうこととされています。「報連相」とネットで検索すれば、正しい報連相の仕方がたくさん出てきます。
 しかし、私も長年“部下”の経験があるので実感していますが、忙しい上司へのホウレンソウはためらってしまいますし、ネガティブな内容ならなおさらです。だからこそ、友人のKさんは「ホウレンソウは“上司”から」を心がけているのだそうです。

 調剤薬局から処方医師への疑義照会は、ホウレンソウのようなものだと思いますが、多くの薬剤師は疑義照会にプレッシャーを少なからず感じていると思います。しかし、今後は、政府が6月30日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太方針)の中で、「薬局全体の改革について検討する」と明記されたことからも、“疑義照会以外”で医師に積極的にホウレンソウしない薬局は、淘汰されていくことが予想されます。

 そこで現在は「健康情報拠点薬局(仮称)のあり方に関する検討会」が設置され、3回目の会合が行われた7月2日には、「健康づくり支援薬局」(仮称)の要件として、厚生労働省から次の8項目を検討していくことが示されました。
(1)かかりつけ薬局・かかりつけ薬剤師としての基本的機能
(2)薬剤師の資質
(3)薬局の設備
(4)薬局における表示
(5)医薬品の供給体制
(6)開局時間
(7)地域における連携体制の構築
(8)健康相談・健康づくり支援
 このうち、最もかかりつけ薬局(薬剤師)に期待されるのが(7)の「地域における連携体制の構築」です。具体的には、「薬局で行う健康づくり支援の内容に応じて、連携が必要となる薬剤師以外の多職種や関係機関に対し、薬局の取組内容や必要に応じて紹介等を行う旨を説明し、了解を得るなど、あらかじめ、顔の見える関係、連携体制を構築しておくことが必要ではないか。その上で、連絡・紹介先のリストを作成しておく必要があるのではないか」などと示されています。
 他にも「薬剤師は薬剤師同士の勉強会には参加するが、多職種が参加する研修会には参加しない傾向にある。多職種が参加する研修会・コミュニティにも参加することで多職種との連携が可能である」という厳しい指摘もあり、成功例として「三方よし研究会」と蔵の街コミュニティケア研究会「こみけん」が紹介されました。

三方よし研究会
http://www.pref.shiga.lg.jp/e/y-hwc/chiiki-iryo.html
こみけん
http://www.cc9.ne.jp/~kuranomachi/

 ぜひこのような取り組みを参考にしながら、上司のような立場である医師から、薬剤師などの他(多)職種にホウレンソウをしていただきたいと思います。

この記事の著者

川越満

川越満

1970年、神奈川県横浜市生まれ。

1994年米国大学日本校を卒業後、製薬企業向けのコンサルティングを主業務とするユート・ブレーンに所属。

コンサルタントとジャーナリストの両面を兼ね備える「コンサナリスト」(商標登録済)として、講演活動、書籍の出版プロデュースなどで活躍中。

医療・医薬品業界のオピニオンリーダーとして、朝日新聞夕刊の『凄腕つとめにん』、マイナビ2010『MR特集』、女性誌『anan』など数多くの取材を受けている。

現在は「業界入門書の制作」と「医師とMRの相互理解促進」を使命として、役立つコンテンツを生み出しつづけている。著作は30冊以上。肩書の「コンサナリスト」とライフワークの「セルフ・ブランディング」を10年前の2004年に商標登録している。

URL:https://consunalist.jp/

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