MRはあらゆる勉強が必須

 MRの仕事は医療関係者に医薬品情報を収集、提供することが役割ですが、主に提供する相手が診察のプロフェッショナルである医師であるため、疾患や薬剤に関する幅広く深い知識習得が求められます。一日の業務時間において勉強に割く時間は多く、勉強が嫌いな方にとってはMRは苦痛と言えるでしょう。

 顧客である医師がMRに求める情報は多岐にわたり相手によって異なりますが、私が複数の医師に聞いた「MRに求められる知識レベル」は次のように集約されます。まず、対象となる疾患に関して最新のエビデンスや他社製品について、あるいは学会から発表されているガイドラインの内容を知っていることが挙げられます。

例えば高血圧であればガイドラインによって「降圧目標値」が定められていますが、その目標値は患者さんの背景によって異なります。糖尿病を合併している、腎臓の機能が低下しているといった病態に応じて降圧目標値が変わりますが、それに応じて使用される薬剤も決まります。

現在繁用されている高血圧の薬剤は大きく分けると5系統ありますが、自社製品以外の系統の薬剤に関しても熟知しておき、患者さんに応じた処方提案ができるMRは医師からの信頼が得られやすいです。

ある医師から聞いた話ですが、「糖尿病を合併している高血圧患者さんに自社製品をよろしくお願いします!」といったプロモーション重視のMRが多いなか、一人の患者さんにフォーカスして合併症や併用薬剤など背景を聞き出したうえで「その患者さんには他社製品の〇〇が適しています。一方でこういった患者さんには自社製品の□□が適しています。」と明確に答えたMRが印象に残り、そのMRが扱う高血圧治療薬が最も処方量が多いそうです。まさしく患者さんに応じた処方提案ができた一例と言えます。

 また、薬剤の選択に悩まれている医師が多いなかで、他の医師がどういう処方をしているのかを知っていてうまく情報提供できるMRは重宝されます。特にご開業されている医師では、専門外の薬剤に関しては他の医師がどういう処方をしているのか気にされることが多いです。(病院に勤務されている医師は医局にて同僚に相談できる環境にあるため、ご開業されている医師よりは情報共有しやすいです。)

専門の先生がどういう意図によってどういう薬剤を選択しているか、最近の薬剤治療のトレンドはどういうものかといった知識を高度に備えているMRが薬剤の選択に悩まれている医師を解決に導くことができます。

 こうした知識は最低限のレベルであれば製薬会社各社が研修やインターネットを介したトレーニングなどによって習得が可能ですが、医師から求められるレベルに達するためには自分から学んでいかなければなりません。実際に、優秀なMRは自ら文献や専門書を読む、学会に参加するなどして勉強に対して時間もお金も投資しています。

今後ますます取り巻く環境が厳しくなるMRにとって、高度な知識習得と常に最新の情報をアップデートするように努める姿勢は必須となってきています。
MRはあらゆる勉強が必須

この記事の著者

ミスターM

外資系製薬会社にて約10年間、おもにクリニック・診療所を担当するMR。
MRに転職する前までは人材サービスのベンチャー企業2年間、その後アメリカ語学留学1年間というちょっと変わった経歴を持つ。
ベンチャー企業で培った「ベンチャー・スピリット」をもとに、NLP(神経言語プログラム)のMR活動への導入、自称・MRで日本初のiPad活用などひと工夫したMR活動を心がけている。
これまで多くの若手有望MRが会社での人間関係を理由に辞めていく様子を目の当たりにしたことから、新しいタイプのリーダーとして出世していき、「社員が毎朝活き活きと出勤する」ことの実現を目標としている。

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