MRに求められる人間性

 ここ最近、多くのMRが持つ悩みに「顧客であるドクターとの面会時間がなかなか取れない」というものがあります。地域特性や担当施設の状況によって違いはありますが、病院担当MRは病院の廊下でドクターを何時間も待ってやっと10秒~1分程度話ができる、ということは日常茶飯事ですし、開業医担当MRも特に患者さんの多いクリニックですと訪問してもなかなか面会できない、といったケースが多く見受けられます。

こうしてなかなか面会して話ができない状況のなかで、MRはついつい「弊社製品の〇〇のご処方をお願いいたします」といった単なる処方依頼や、「弊社製品の〇〇は有効性・安全性に優れています」といったワンフレーズトークに終始しがちです。そしてこうしたフレーズに聞き飽きたドクターはますますMRとの面会時間を減らしていき、MRはますます困り果てる、といった悪循環に陥ってしまいます。

異業種においても営業職の方々は顧客との十分な面会時間を確保できないという悩みは持っているようですが、MRの場合その時間の短さは特に顕著です。

 こうした営業活動において厳しい環境においても一人のドクターに対して数十分~1時間ほどの面会時間を取れているMRもごく少数ながらいます。こうしたMRは他の大多数のMRとどこが異なるのか、私なりの考えをまとめてみます。

 その違いを生み出すものは一言で言えば、ずばり人間性、その人の“人となり”ではないでしょうか。まず最低限求められている基本的なところとして、マナー、身だしなみが完璧であることが挙げられます。一見誰にでも出来ていそうな気がしますが、意外と完璧に出来ている人は限られます。

例えばマナーで言えば、営業先の院内にて使用を禁止されている携帯電話を使用する、あるいは患者さんのために用意された駐車場の最も使いやすいところに平気で停めているMRが散見されます。同様に身だしなみについても、靴の汚れやスーツのしわ、寝ぐせのついた髪のままで活動しているMRもよく見られます。このマナー、身だしなみを徹底するだけでも十分に“トップクラスの少数派”に入れる資格があると思います。

 また、「相手に寄り添う気持ち」を持ったMRは得意先に受け入れられます。昼に依頼した文献や資料を当日の夕方に持参してきた、誕生日やクリニック創設記念日など特別な日を覚えていてくれた、他のドクターとのコネクションをつくってくれて地域連携の橋渡しになってくれた、などの事例には自分本位ではなく、相手が喜んでいただけることを提供しようとしているMRの素晴らしい人間性が表れています。

 接待や研究費助成といった顧客への貢献が制限されてきている昨今、こうしたMRの人間性が求められる存在になるかどうかを左右すると言えます。

この記事の著者

ミスターM

外資系製薬会社にて約10年間、おもにクリニック・診療所を担当するMR。
MRに転職する前までは人材サービスのベンチャー企業2年間、その後アメリカ語学留学1年間というちょっと変わった経歴を持つ。
ベンチャー企業で培った「ベンチャー・スピリット」をもとに、NLP(神経言語プログラム)のMR活動への導入、自称・MRで日本初のiPad活用などひと工夫したMR活動を心がけている。
これまで多くの若手有望MRが会社での人間関係を理由に辞めていく様子を目の当たりにしたことから、新しいタイプのリーダーとして出世していき、「社員が毎朝活き活きと出勤する」ことの実現を目標としている。

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