患者以外の意見を活かす医師~より実務的意見を引き出せる医師~

見た目で気になること、院内にはたくさんある?
 先日、ある病院の院長と話す機会がありました。今年2月に副院長から院長に昇格したそうで、立場が変わったら、自分の病院の気になることが様々見えてきたとおっしゃっていました。自分の責任の下、運営するとなると、正面玄関の見え方、駐車場の案内、窓口スタッフの表情や態度、院内の掲示物など、目に入るあらゆることが気になって仕方がないそうです。

身内からの意見はより具体的&実務的
 更に、たまたま院長の奥様がその病院に通院しており、患者視点からの指摘もたくさんいただいたそう。私が気になったのは、奥様からの指摘内容です。患者が通院している病院に対してクレームや投書をするのは、大体、通院が終わるときです。更に敢えてクレームを言う、敢えて投書をするのはよほどのことがあってのこと。実は、いろんな不満があっても患者はまだまだ弱い立場として自分を見ているので、本当のことを言わないことが多いのです。だからこそ、奥様からの指摘内容は、大変客観的かつ実務的、患者視点もあり、病院運営する院長の立場も理解してのこと。

 例えば、「正面玄関に2人掛け用ベンチが置いてあるが、どうせ置くならせめてもう一つ置くべき。なぜなら、高齢者が多い病院なんだから、2人掛けでは足りなく、立って迎えを待っている人をよく見かけるから」、「受付にスタッフがいつも3~4名いるけれど、いつ見ても動きが遅い。患者が会計を待っていても急ぐこともないし、“お待たせいたしました”の言葉もない。せめて、“お待たせしました”ぐらいは言わせるべき」など、単なるクレームではなくアドバイスが含まれていることに価値があると思うのです。

患者以外の意見を引き出したい
 患者第一主義とは言いますが、一方で患者の意見、クレームはとても主観的です。多くの患者がそう思っているかどうかという視点では、そうではないこともあります。大多数の患者が受け入れる病院の対応という視点では、患者以外からの意見も積極的に取り入れることも大切な病院運営に思うのです。

身内だけではなく、院内スタッフ、委託先スタッフ、取引業者からも「うちの病院って外から見てどう思う?」という問いかけするのもよいかもしれません。委託先スタッフは、院内にいながらも外の目を持っていますし、取引業者は一般企業の視点を持っています。だからこそ、違った視点からの意見として十分に活用価値があるのです。

 このような意見に対して、“きく耳”を持ち、冷静に意見を受け容れる、活用する医師は、より良い病院へと発展させるチカラを持っているのかもしれませんね。

この記事の著者

大崎なごみ

大崎なごみ病院・介護施設の人材育成と組織開発のコンサルタント

病院・介護施設の人材育成と組織開発のコンサルタント。経営学修士(MBA)。

病院・介護施設を中心に、人事制度(目標管理、人事評価などを含む人事管理全般)の構築、運用のアドバイス、管理職から一般職員まで人事、組織開発に関する幅広いテーマで職場内研修も実施している。

医療関連学会、介護関連の各種団体では、医療介護業界における管理者(リーダー)育成、職場改善他をテーマに講演。医療・介護関連雑誌での連載多数。

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