院内からみた“いい先生”

病院の人材育成・組織づくりを中心に研修講師や外部アドバイザーをしている大崎なごみ<和>(性別:女)です。この度、病院の研修講師&外部アドバイザーの立場から、本コラムを書くことになりました。よろしくお願いいたします。

女性で病院の研修講師というと、「接遇やコミュニケーション系ですか?」と訊かれることが多いのですが、そちらはオーダーがあれば…で、私自身はあまりお受けしておりません。では何を?!?! 主に、病院運営に必要な幹部職員のマネジメント研修、評価制度や目標管理制度の構築&評価者教育など、どちらかというと病院や介護施設の経営発展とそれに必要な人材の育成に関する研修を中心に行っています。よって、お仕事で関わる方たちは、病院の全職種の方たちです。職種を問わず、組織の上に立つ者、組織の動かし方の基本を学ぶべし!の考えで、研修やアドバイザーをしております。

院内のスタッフと仕事をすることが多いことから、本コラムでは、「院内から見た名医・良医とは」の視点と、私自身が医療出身者ではないことから「患者から見た名医・良医とは」の2つの視点から、「いい先生」を忌憚なくお伝えしたいと思います。

そこで、第1回目は、私の独断での「いい先生」を綴ります。私の「いい先生」は、2人。

お一人目は、私の母が勤めていたクリニックの院長先生です。

私の母は、約30年間、有床クリニックの事務をしていました。仕事内容は、患者受付と会計、調剤(医師の指示のもと)、薬品購入交渉、診療報酬請求まで幅広く行っていました。現在の分業とは全く異なる時代ですね。今でも思い出すのは、母の終業時刻近くになると、かぎっ子だった私は、クリニックの待合室で母がレジの精算や受付周りの掃除をして、一日の仕事との片づけをしている場面をよく覚えています。母が最近言うことは、「あなた(私)の仕事をS先生(クリニックの院長)は、とても興味をもったと思う」と。残念なことなのですが、S先生は10年ほど前にお亡くなりになりました。

今振り返ってみても、S先生は、

①患者の症状の見立ては確実(だったよう)

②患者に対して無駄な診療は行わない

③医師としての指示と経営者としての指示の区分が明確

④仕事のルールが厳しい(倫理、コンプライアンスが徹底)

⑤院内での権限移譲が明確(いろんな場面で当番制が明確だった記憶あり)

⑥職員旅行などオフイベントは欠かさず実施(私も遠足はよく行きました)

など、まさに「医師たる経営者」だったと私も思います。

お二人目の「私のいい先生」は、かつて手術した病院のI先生です。かなり難しい手術?だったようですが、初めて受診したときから、検査入院、手術、入院、退院後の定期検査に至るまで、全ておいて患者の不安を排除することが一貫していて、私自身は全く不安もなく今も元気に働くことができています。

何が「いい先生」なのかというと…

①患者への病状の説明に専門用語を使わない(使っているが「翻訳」がある)

②患者が最も不安で思うであろうことは、一方的説明ではなく、会話しながらの説明がある

③術前に、親戚にも説明することがあるだろうとのことで、病状から手術の必要性等の丁寧な説明文書を作成してくれる

④外来診察では、待ち時間はあるものの必ずと言っていいほど「いつもお待たせしてすみません」というお侘びの言葉がある。(案外、待ち時間は当たり前…の病院もありますよね)

⑤術後のちょっとした症状での心配も相談しやすい

要は、I先生に診てもらえたことで、何かあったらI先生とその病院に自分を委ねたいと思いました。

「いい先生」には、個々の価値基準があると思います。それでも、多くの院内スタッフ、患者が「いい先生」だと思う気持ちには共通項があるはずです。

本コラムでは、その「共通項」をお伝えしたいと思います。

 

この記事の著者

大崎なごみ

大崎なごみ病院・介護施設の人材育成と組織開発のコンサルタント

病院・介護施設の人材育成と組織開発のコンサルタント。経営学修士(MBA)。

病院・介護施設を中心に、人事制度(目標管理、人事評価などを含む人事管理全般)の構築、運用のアドバイス、管理職から一般職員まで人事、組織開発に関する幅広いテーマで職場内研修も実施している。

医療関連学会、介護関連の各種団体では、医療介護業界における管理者(リーダー)育成、職場改善他をテーマに講演。医療・介護関連雑誌での連載多数。

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