「大きく様変わりしたMRの活動」

今回はMRの具体的な活動について紹介いたします。私はこの業界に身を置いて約10年になりますが、特にここ数年は歴史的な変動と言っても過言ではないほど環境は変わり、それに伴い活動内容についても大きく様変わりしました。

ずばり、大きなターニングポイントとなったのは2012年4月からの接待禁止です。あくまで基本的な活動はドクターと面会して情報を提供する日々の活動になりますが、以前は多忙なドクターに自分を売り込むため、自社製品を処方してもらうため、飲食などの接待を行うことが効果的でした。その効果は明白で、普段病院やクリニックではなかなか話せない趣味などのプライベートな話からドクターの経歴などパーソナルな部分を交えながら、ドクターの人となりを知ることができ、接待を機に人間関係の構築、ひいては自社製品の処方獲得を図ることができました。実績の良い方は昼間の活動はもとより、夜の予定も連日埋まっていることが多かったです。私見を言えば、接待1回の効果は病院やクリニックでの面会10回分に相当するのではないかと感じています。

しかし、いまは原則接待禁止となり、可能な活動は限られています。地道に病院や診療所を訪問しドクターと面会して情報提供することで人間関係の構築や自社製品の浸透を図っていかなければなりません。ただ、これは本来のMRとしてのあるべき姿になっただけとも言えます。

ドクターとの面会での情報提供としては、自社製品の情報を会社から与えられた資材を使って伝え、最終的には自社製品の処方依頼を行うことが会社から推奨されています。また、特定のドクターに月何回面会し、どの製品をどういったメッセージを使って何回説明するか、といった活動目標が各社設定されており、これらの目標を達成すべく足繁くドクターとの面会を試みる、といった活動が日々繰り広げられております。

これは調査会社のデータ結果から、たとえば「製品Aについての説明回数が競合品よりも多ければ多いほど売上実績は比例して伸びる」という考えが製薬会社各社において信奉されているからです。

ただし、顧客であるドクターからの反応は必ずしも良いものとは言えないのが現状です。なぜなら、会社から与えられる自社製品の情報は自社製品に都合の良いものに偏りがちで、せっかく多忙な時間を割いてMRに面会しても営業的なトークに終始された、時間を浪費してしまった、と感じられることが多いからです。場合によっては一生懸命ドクターとの面会を繰り返したのにもかかわらず、嫌悪感を示されてしまった、面会してくれなくなった、といった状況に陥ってしまいます。

とはいえ、こうした環境はどのMRにとっても同じはずなのに、ドクターとの良好な関係を構築し、実績を上げているMRも必ず存在します。そうしたMRは他社MRとの差別化に努め、ドクターに付加価値を与える活動を繰り返していることが多いのですが、その具体例については次回お話したいと思います。

この記事の著者

ミスターM

外資系製薬会社にて約10年間、おもにクリニック・診療所を担当するMR。
MRに転職する前までは人材サービスのベンチャー企業2年間、その後アメリカ語学留学1年間というちょっと変わった経歴を持つ。
ベンチャー企業で培った「ベンチャー・スピリット」をもとに、NLP(神経言語プログラム)のMR活動への導入、自称・MRで日本初のiPad活用などひと工夫したMR活動を心がけている。
これまで多くの若手有望MRが会社での人間関係を理由に辞めていく様子を目の当たりにしたことから、新しいタイプのリーダーとして出世していき、「社員が毎朝活き活きと出勤する」ことの実現を目標としている。

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