「MRの仕事の“二つの側面”」

みなさん、はじめまして。外資系製薬会社でMRとして活動している“ミスターM”です。今回からMRとしての仕事や役割を広く知っていただくために、連載コラムを担当することになりました。私は10年ほど前まで異業界に身を置いていた経緯があり、MRの仕事ややりがいについて、より客観的に見ることができました。そうした観点からMRの仕事や役割について紹介していきます。宜しくお願いいたします。

 

まず、今回はMRの仕事の役割について、その概略からご案内します。結論から申し上げますと、MRの仕事には“二つの側面”があり、その両輪の役割をバランスよく果たしていく使命があります。

 

一つ目の側面について、公益財団法人MR認定センターがMRの仕事について定義していますが、こちらが参考になります。「その仕事は医療機関を訪問することにより、自社の医療用医薬品を中心とした医薬情報(医薬品およびその関連情報)を医療関係者(医師、歯科医師、薬剤師、看護師など)に提供し、医薬品の適正な使用と普及を図ること、そして使用された医薬品の有効性情報(効き目や効果的な使い方)や安全性情報(副作用など)を医療の現場から収集して企業に報告すること、そして医療現場から得られた情報を正しい形で医療関係者にフィードバック(伝達)することなどを主な業務としている。」この側面の存在が、MRが医療に貢献できる倫理的に高い仕事であるというイメージに影響しています。

 

事実、新卒採用の面接において、学生諸氏は「なぜMRを目指すのか」という質問に対して「医療に貢献したい」という旨の発言を必ずと言っていいほど口にするそうです。

 

一方で、MRには二つ目の側面が存在します。ずばり、それは営業要員としての側面です。各MRには年間売上計画が課されており、さらにそれを達成するための半期・四半期目標、月間目標が存在します。その計画数字の100%遂行のために日々仕事をしていると言っても過言ではありません。

 

この営業要員としての側面を見ると、他業界とさほど大きく異なる点はありません。例えば降圧剤の場合、大別すると5種類の異なる系統の薬剤がありますが、同系統で5~6剤程度の薬剤を各社販売しています。この同系統の薬剤同士において、処方するドクターは「同じ系統の薬剤であれば違いはほとんどない」と感じていることが多く、各社MRは他剤との差別化を図るべく自社製品のアピール競争に徹します。つまり、各社MRの活動における成否が同じ系統の薬剤での売上、シェアを左右します。

 

セジデム・ストラテジックデータ株式会社の川越満氏は上記の二つの側面について“社会的使命”と“会社的使命”という言葉を使って、この二つの側面のバランスの重要性を説明されていますが、まさしく言い得て妙です。昨年からノバルティスファーマ社の降圧剤「ディオバン」をめぐる問題が報道を賑わせていますが、この問題の根幹にあるのは熾烈なシェア競争にさらされた会社またはMRがバランスを欠いて“会社的使命”を重視しすぎたことにある、と私は感じています。これは決して一社のみの問題などではなく、業界全体の問題であると考えています。

 

さて、今回はMRの仕事の概略について説明しましたが、その具体的な活動内容はここ数年で大きく変化しました。どう変化したのかといった点を踏まえ、次回は具体的なMRの活動についてお話する予定です。

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この記事の著者

ミスターM

外資系製薬会社にて約10年間、おもにクリニック・診療所を担当するMR。
MRに転職する前までは人材サービスのベンチャー企業2年間、その後アメリカ語学留学1年間というちょっと変わった経歴を持つ。
ベンチャー企業で培った「ベンチャー・スピリット」をもとに、NLP(神経言語プログラム)のMR活動への導入、自称・MRで日本初のiPad活用などひと工夫したMR活動を心がけている。
これまで多くの若手有望MRが会社での人間関係を理由に辞めていく様子を目の当たりにしたことから、新しいタイプのリーダーとして出世していき、「社員が毎朝活き活きと出勤する」ことの実現を目標としている。

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