なかもず こころのクリニック 吉藤諭 院長先生インタビュー

今回は、大阪府堺市の“なかもず”駅近くにこの春、「なかもず こころのクリニック」を開業された吉藤諭 院長先生にインタビューをさせていただきました。

患者さんに寄り添った診療を心がけていらっしゃるのはもちろんのこと、少しでもお薬に頼らない診療をモットーに、生活指導やカウンセリング、漢方薬の併用などにも積極的に取り組んでおられます。

他の診療科では聞くことができないような貴重なお話しも教えていただき、とても興味深い内容となりました。

それでは、インタビューをどうぞご覧ください。

 

● お医者さんになられたきっかけを教えてください。
私は小さい頃、就学時健診のときに不整脈で引っかかっています。病名としては心室性期外収縮になりますね。

今から考えると何でもないのですが、私が小学校の就学時、30年以上前というのは、不整脈についてよくわかっていなかった時代でした。そのため、まちのお医者さんに大学病院を紹介され初めて、近畿大学の小児心臓外科を受診することになりました。

そこでは、心臓カテーテルなど詳しい検査を受けました。運動についてはドクターストップがかかっていたので、自分としてはむくれていましたね。

そんなとき、定期的に受診している主治医の先生が「運動はできなくても勉強ができたらいいんじゃないか」ということを話され、そこから医者になりたいと思うようになりました。小学生時代、夢について書いた文章にも医者になりたいという希望を載せていて、一浪した結果、かねてより受診していた近畿大学の医学部に入学することができました。

心室期外収縮のほうは、今はもう何もフォローしていません。
実は、薬は出されていたのですが、子供の頃に薬を飲むのが嫌いだったこともあり、日頃からあまり飲んでいませんでした。大学に入学すると同時に、先生にそのことを打ち明けたところ、心電図でも異常がないので一旦、中止して様子をみようかということになりました。そこから通院が終了し、今に至ります。

 

● 色々な診療科がありますが、精神科を選んだのはどのような理由からでしょうか。

私が医学部を卒業した、ひとつ下の学年からスーパーローテートという臨床研修医制度が始まったのですが、私の時はちょうど、ストレート方式が最後の年でした。自身が不整脈であったこともあり、心電図に興味があり、具体的に循環器内科がどんなものかということを全然イメージせず、いきなり近畿大学の循環器内科に入局することを決めました。

循環器内科はハードで、カテーテルなど手技も結構あります。学生の頃は何も考えず、ただ心電図が好きで不整脈を抱えているからという気持ちで入局しました。手技などにあまり興味がなく、救命も多かったので、理想と現実のギャップを感じました。
1年目が終わる頃には、手技などもある程度できるようになって楽しい時期もありました。しかし、2年目に入り、ずっと循環器内科で続けていけるのかと考えたとき、私にとっては難しいのではないかと考え、一念発起して他科への転科を選択しました。

そのときには、すでに2年目になっていたので外来をもたされており、患者さんと接する機会も多くなっていました。話を聞くことは全然嫌ではありませんでしたので、畑違いではありますが、精神科を選んで転科しました。

 

● 開業される前は、ずっと大学にいらっしゃったのでしょうか。

大学の精神科には3年在籍していました。
大学医局では、仕事が研究や教育、臨床など多岐にわたります。私は、一通り経験した後、大阪さやま病院という精神科の単科の病院に移ることにしました。そこで4年ほど経験を積み、縁があって平成24年に帝塚山椿館クリニックで副院長という立場で5年間勤めさせていただきました。
そして、この春から独立しています。

 

● 中百舌鳥という場所で開業された理由をお聞かせください。

開業するにあたっては、色々とリサーチをしました。
やはり、なんとなく開業すると絶対に失敗すると思いましたので、人口統計や駅の乗降者数なども調べました。

また、患者さんに気軽に通院頂ける為、利便性や交通面でのアクセスのしやすさも重視していました。

大変光栄な事に帝塚山椿館クリニックから私について来て下さるという患者さんも多数おられましたので、利便性など考慮した上でこの場所に決めました。

 

● 精神科の中でも色んな疾患があるかと思いますが、先生が得意にされている疾患はありますか?

外来をしていると、圧倒的に気分障害圏が多いですね。自分で統計を取ってみたところ、6割以上が気分障害となっています。そのため、気分障害が専門的になっているでしょうね。
そのほか、ボーダー、いわゆる境界性人格障害圏の方からは信頼を得る機会が多く、診る機会がありますね。

統合失調症ももちろん診ますが、外来だと統合失調症の患者さんは非常に少ないです。新患で統合失調症の患者さんというのは殆ど診る機会がないので、やはり気分障害がメインになってきますね。

 

● 先生が治療の中でこだわっておられるところがあれば教えてください。

なるべく必要最低限のお薬で、患者さんを治療できればなと思っています。そのため、お薬を少なくするための教育的な指導や、クリニックに来ていただいている心理士の方のカウンセリングなども併用しながら治療を行っています。

他のクリニックからいらっしゃって、こんなにも薬を飲んでいるのかと驚くこともあります。そういった方に対しては、こちらに転院していただいてもいいけれど、私の方針としてはお薬が少ない方がいいので減らしていくよ、ということを予め説明してから治療をしています。

 

● お薬を減らすことについて、患者さんの反応はどうでしょうか?

分かれますね。圧倒的に、お薬が少ない方がいいという方が多く、特に、精神科が初めての患者さんなどはお薬に対する抵抗感から、すんなりと受け入れてもらえます。
一方、お薬をかなり多く処方されている状態で転院されて来た方は不安を感じるようです。やはり、この薬がないと不安だという患者さんもいらっしゃいます。

 

● 開業されてからまだ数ヶ月しか経っていませんが、勤務医の頃と比べてどのような違いを感じられていますか?

勤務医の時はサラリーだったので、気楽だったのだと思いますね。現在のこの立場からすると、今まで私に係って頂いた全ての人に感謝しなくてはいけないと感じています。

今までは、自分で独立すると、思うように何でも出来ると勘違いしていた部分が大きいと思います。実際に独立してしまうと、臨床はもちろん第一線でやらないといけませんが、経営というところで税理やスタッフの雇用関係のことなど、全て自分でやっていかなければなりません。私自身、甘い考えを持っていたわけではありませんが、そのような考えで独立してはダメだと感じています。
独立した今のところは、気持ちが半分半分ですね。やって良かったという気持ちもありますし、少し後悔しているという気持ちの間で揺れ動いているところです。

経営の部分については、慣れていない部分も多いので、その部分は誰かに託して医経分業していかなければならないのかなと今、ひしひしと感じています。

 

● 理想の医療を実現するために、今後やってみたいことがあれば教えてください。

お薬の減薬に関しては、継続してやっていきたいと考えていますね。

私自身、もう10年ほど訪問診療に携わってきています。現在も、尼崎市で開業されているはらクリニックで週に1回、訪問診療に携わらせていただいているので、在宅医療についても引き続き取り組んでいけたらと思っています。

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【名医情報詳細】

クリニック名 なかもず こころのクリニック
住所 〒591-8023
大阪府堺市北区中百舌鳥町2丁23番地 ポルト中百舌鳥ビル2F・3F
電話番号 072-240-7830
営業時間 9:00~12:00, 14:00~18:00
※土曜午後は、14:00~17:00
【休診日 火曜午後・水曜・日曜・祝日】
ホームページ http://nakamozu-cocoro.com

【地図情報】

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この記事の著者

池上文尋

池上文尋

バブル期の外資系製薬企業に入社、3年間MR(医薬情報担当者)として勤務後、医療機関側の内部に興味を持ち、青森の医療法人事務長として2年勤務。その後、再びMRへ復帰。外資系企業を2社、合計9年を京都担当のMRとして勤務。
MR時代に趣味で立ち上げたMR-NETが徐々に広がりを見せ、MRに対しての情報発信やサポートに目覚める。勤務先の合併を機にMRを退職し、株式会社メディエンスの代表となる。

現在、オールアバウトジャパン「不妊症」ガイド、妊娠力向上委員会企画運営、MR-NET企画運営、医療機関広報コンサルティング、とMR時代に培った医療知識とITスキルを活用し、医療における分野で幅広く事業を展開中。

池上@自己紹介
http://www.medience.info/profile.html#2
オールアバウト不妊症治療ガイド http://allabout.co.jp/gm/gt/1831/
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