ホリスティッククリニック横浜(横浜市中区)

今回はホリスティッククリニック横浜院長の井上先生にインタビューをさせて頂きました。

井上先生のユニークなところは今までの内科診療の中でなかなか治せない疾患や慢性疾患をどのようにすれば根治させて、漫然と治療を続けることを止めさせることができるのか?

それを真剣に考えて実践されておられることです。これって、当たり前のように思われるかもしれませんが、実際のところ医療の現場はそうではないですよね。

そんな今の医療の盲点を含め、様々な内科、小児科に関わる具体的な質問をさせて頂きました。それではインタビューの内容をどうぞ!

 
<井上先生ご自身とクリニックについて>

質問1)ドクターになったきっかけをおしえてください。

母方の祖父は九州で町医者をしていました。でも、母の兄弟は誰も医者にはなりませんでした。そうことが理由ではないのでしょうが、小さいころから「おじいちゃんのようにお医者さんになったら?」と周りからよく言われたものでした。

幼少時は、小学館の人の体の図鑑が部屋にあるだけでも怖いくらいでしたから医者には向いていないのだろう、と思っていました。ましてや医学部に行くなんて考えたこともありませんでした。

高校入学したころから次第に自分の世界に入り込んでしまって無気力で勉強もしなくなりました。

理系でしたが勉強は浪人してから始める始末。一旦は工学部に入学したものの、いろいろと思索を重ねていくうちに研究者やサラリーマンになる自分の姿が思い浮かべられないことに愕然としました。

そこで、幼少時から言われていたことを改めて考えなおしました。

「祖父のように医者になり人と向き合う仕事が自分には合っているのではないか」と。
それから再受験して医学部に入りなおしました。

入学した時から、将来は専門家よりも「患者さんのいろんな問題に対応できる町医者」になることを目指してきました。たぶん心のどこかで町医者だった祖父をロールモデルにして、「祖父のようになりたい」と思っているのかもしれません。

 

質問2)なぜ小児科・内科を選択されましたか?

先の質問の回答とも関係します。

患者さんのいろんな問題に対応できる町医者になりたいと思っていたからです。
そのために内科医になろうと入学時は考えていました。でも、内科は専門分化が進んでいて、臓器の内科を専攻することに違和感がありました。

当時総合診療科もありましたが、どちらかというと「臓器専門の内科が下せない診断をつける科」だという印象がありました。どうも自分が考える医師像とは違うなと。

そうやってもやもやしながら学年が上がっていったわけです。

そして迎えた5年生での臨床実習。一番最初が小児科だったのです。

そこでのローテーションで、「実は自分は子供が好きだったのだ!!」ということに気づきました。小児科も専門性はありましたが、お子さん全体を診るプライマリケア的姿勢が自分に合っているなと。5年生の最初の時点で小児科に入局することをほぼ決めていました。

でも、一方でその人全体を診るのなら子供だけでなく大人も診れるような医師になりたいという思いもありました。

卒後は小児科医として充実した時期を送っていました。3年目頃から「やっぱり内科もできるようになりたい」という思いが募ってきました。4年目の途中にうつ病になり休職することになったのですが、5年目で仕事復帰するときに内科に転向しました。

「これで、自分は子供から大人まで対応できる医者になれる!」とほくそ笑んだのを思い出します。結局のところ、大学入学時から一貫して、子供から大人まで対応できる医師になりたいという思いが強かったのですね。

 

質問3)ホリスティック医学に興味を持ったきっかけを教えてください。

内科に転向して務めていた病院で、一般内科に加え血液内科にも関わっていました。血液内科では、特発性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血など免疫関連の疾患だけでなく、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液の癌にも対応します。

血液の癌は、外科ではなく内科ですべて対応します。自分たちで骨髄検査をして、血液像を見たり、抗がん剤も自分たちがプロトコールに則り投与するわけです。

当初は新しいスキルを身に着けることに喜びを感じていたのですが、次第にその喜びは薄れてきました。抗がん剤を投与した自分の担当していた患者さんがどんどん具合が悪くなっていく。感染症にかかり、輸血を要し・・・そういうことを繰り返していくうちにこのような治療以外の方法がないのだろうかと思うようになりました。

内科に転向したころから漢方も学び始めていたので、病気を全体的な視点から見ることの重要性は理解し始めていた時でした。そんな時に統合医療、ホリスティック医学という西洋医学に端を発する、全体を診る医療に興味を持つようになったのです。

 

質問4)今後、力を入れていきたいと思っていること、ビジョンを教えてください。

従来の保険診療で対応できないことを、自由診療に力を入れて行ってまいります。そして、病める人は健康に、なんとなく不調な人ももっと健康に、健康な人はさらに健康になってもらいたいと願っています。

とはいえ、自由診療で用いるサプリや注射は手段でしかありません。一番大切なのは、お越しいただくクライアントさんの問題を解決すること。

これからの医療は、ただ薬でコントロールするだけでは不十分です。問題を解決することも必要になってきます。そのために、引き続き一人ひとりのクライアントさんのカウンセリングに力を入れていきます。

スタッフにも、「先生の売りは偏った立場にならずにクライアントさんのお話を聞いてあげられることだ」と言われていますし。

それが、当院の医療理念でもある「見えないプロセスをみつめる医療」の実践でもあり、
「お越し頂いた方が笑顔で病院を卒業していける医療」という私の描いているビジョンでもあります。

 

 

<小児科についての内容>

●最近、ワクチンについて過敏な方が増えているような気がするのですが、ワクチンの不安を抱えている方は、どういうことに不安を抱えているのでしょうか。

ワクチンの不安で来られるというよりは、ワクチンそのものはあまりよくないので打たせないと決めているけど、周りに打たないことはとんでもないこと、虐待だとまで言われ、また、未接種だと保育園や幼稚園に入れませんという対応を取られます。

そのため、打たない理由を学校や幼稚園、保育園にどううまく証明すればよいかということを悩まれています。

 

●アトピーもまだまだ多いような気がします。アトピーについて思うところを教えてください。

そもそもアトピーは皮膚の問題ではなくて、体の中で起きている問題だと思っています。大元の原因を考えた時、特に乳児期にアトピーと診断されるお子さんを拝見していると思うことがあります。それは、お母さんの体の中に入ってくる色んな毒素や、食べた体質に合わないものを、子宮の中で子供が肩代わりして持って出てきたことも要因の1つではないかと。そう考えると、ただ皮膚に薬を塗るのではなく、生活を変えていくことが根本的な治療としては必要です。

東洋医学は母子同腹という考え方があり、子供の病態を治す時に、母親も同じ漢方を飲めという意味なんです。母子は産まれた後でもつながっているということなのでしょうね。

 

 

<内科的な質問>

●初夏のクーラ起動時のカビの拡散による気管支炎や飲食店の小麦にいるダニなど、見えていないアレルギーについて気になっているのですが、先生はどのようにお考えですか?

アレルギーでも、その時だけの一過性のものに関しては、その時に症状が出ても体が解毒してくれたんだなと思えばいいので大きな問題はありません。

本当の意味でのアレルギーは慢性化するものなので、慢性化した場合には物理的な原因とそうでない原因、精神的なものも含めてみるようにしています。

さらに、別の視点も重要だと考えています。

つまり、体の外からアレルギー源が入ってアレルギー症状を起こしているだけでなく、普段何気なく食べているものや体内に蓄積している有害物質によって外に向かってアレルギー症状として現れているという視点ですね。

 

●高血圧の治療についてどのようにお考えですか?

そもそもいろいろな要因が絡んできて、血管、腎臓、心臓、網膜、脳といった臓器などに負担がかかるから治療が必要なんです。でも、現状は数字が高いだけで薬を処方されて飲んでいる人が増えている気がします。

僕が高血圧の患者さんを見ていて思うのが、今はかなり年齢も下がっていて、ストレス、無理な生活、不規則な生活で交感神経が緊張して、血圧が上がっているという方が多いということです。高い状態が続いていると臓器に負担がかかるので下げた方がいいのかもしれませんが、交感神経が緊張するような問題が取り除ければ下がる話です。場合によっては下がるまでの間つなぎで薬を使うのは構いませんが、大元の要因を取り除かない限りは本当の治療ではありません。

-実際、すべての高血圧に動脈硬化などはあるのでしょうか?
長い期間血圧が高ければ動脈硬化が起きている可能性もありますが、誰もが同じように動脈硬化病変ができることはありません。血圧が高くなりやすい、ストレスを抱えやすい生活をしている人は、食生活も乱れ、余分なものもとっているので、血管が老化しやすくなっています。

その結果血管が老化しやすくなり、慢性の炎症を起こし、動脈硬化につながるというわけです。だから、血圧が高いからとか、塩分をとっているからということではなく、複数の要因が集積して起こるものなので、結局は日ごろの生活が血管をそういう状況に追い込んでいるということですね。

 

●動脈硬化症をキープする、良くするには、食生活の改善や、運動をきっちりとやっていくしか方法はないのでしょうか?

食事は基本ですが、私としては運動を積極的には推奨していません。年齢とともに活性酸素を消去する力は弱くなってくるからです。高脂血症もあって体重が重いからと運動すると、活性酸素ができ、血液中の脂肪は酸化することで、逆に動脈硬化へ拍車をかけていることになりかねません。

年配の方で動脈硬化ができてしまった方は、どこまで戻るかにもよりますが、例えばサプリメントのビタミンCなどで、血管の中のサビを抑えてあげるような方法が良いように思います。また当院で行っているような、高濃度ビタミンCや血液オゾン療法も動脈硬化を予防したり、進展を防ぐ補助となるでしょう。キレーション治療で血管のカルシウムを取り除き、動脈硬化の進展を抑える治療を行うクリニックもあります。

 

●高脂血症についてどのようにお考えですか?

実は高脂血症は油ものの摂りすぎでなる方より糖質、炭水化物の摂りすぎでなる方のほうが原因として多くなっていると感じます。

食事でとった糖質でエネルギーにならなかったものが、中性脂肪として内臓脂肪や、脂肪肝としてたまります。そのたまった脂肪が人によって中性脂肪になったり、コレステロールになったり、場合によっては両方高くなってしまうこともあります。今は主食以外にもスイーツなどの糖質があふれていて、それが代謝されなくなり、体の中で脂肪に変わってしまうんですね。

コレステロールの薬は肝臓などで作った脂肪を、血液中に出すのを抑えるのであって、消すわけではありません。つまり、逆にコレステロールを抑える薬を使うと、肝臓にどんどん脂肪がたまっていってしまうんです。

また、高いコレステロール値を薬で抑えた結果今度は中性脂肪が上がっている方もおられます。そして高くなった中性脂肪は放置されているという方も見かけます。それだったら、大元の脂肪を減らすために糖質を減らすというのが、重要なことだと思います。

 

●糖尿病の治療についてどのようにお考えですか?

糖質制限が色んな人が奨めていますね。、薬を使うよりは良いのかもしませんが、それも本質の治療ではなく、患者さんの問題は何一つ解決していません。きちんと治すためにはその人の本質的な治療が大切だと思います。

今の医療は病気をデータとして捉えています。そして数値から統計的に導き出したでーたをエビデンスにして、薬を投与するというやり方をしていますが、僕はここに疑問を持っています。

検査はあくまで一般的な数字であり、その人に当てはまるかどうかは分かりません。また、血糖値、血圧やコレステロールが高くても、人によって理由が違うのに、治療は同じような薬を投与するという1wayでしかなかったりもします。

これからは病気をデータのような点をとして見るのではなくて、その人の生活や食事、仕事などの生活背景全体にも目を向けながら行う、本質的な治療が大切になってくるように思います。

 

●私がリーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)について知ったのはつい最近ですが、ほとんどの方がこれについてまだ知らないと思います。先生から解説をお願いできますか?

はい、日本においてはまだあまり浸透していないのですが、患者さんは多いと思います。
腸の粘膜で起きた炎症で、そのバリア機能が損なわれます。その結果、本来なら取り込まれないものが体内に取り込まれ、全身で様々な免疫反応、炎症性の疾患を来す病態です。治療になると腸の炎症を治すのが一番なので、まずは腸の粘膜に炎症を起こすものを摂取しないというのが大切になります。

原因は直接腸に入る食べ物が代表として挙げられます。有名なのが乳製品と小麦製品です。これらは腸の中でしっかり分解しづらいため腸で炎症を起こすからです。個人差はありますが、未熟な子供のうちから知らずにこれらを毎日摂取していると、腸がただれてリーキーガット症候群をきたす可能性が高くなります。また、食事と一緒に取り込まれる食品添加物としての化学物質、重金属なども原因となりえます。

アレルギーになったり、起立性調節障害(OD)で、朝が弱いとか、不登校、たるんでいると言われがちなお子さんの背景にリーキーガットが絡んでいる場合もあるかもしれません。

 

●これまた、あまり耳慣れない「副腎皮質ホルモンによる副腎疲労について」の解説もお願いできますか?

いわゆる不定愁訴と言われている多くの方は、副腎疲労かもしれませんね。副腎疲労とは、体の中で起きている慢性炎症を抑える為に、副腎ステロイドホルモンが火消しとして必要以上に使われ過ぎて起きます。

ほとんどの病気の根底に副腎疲労があると言っても過言ではありません。副腎ステロイドホルモンの代表がコルチゾールで、別名抗ストレスホルモンと言います。精神的なストレスだけでなく、炎症も物理的ストレスです。

たから、ガンであろうと、婦人科的な治療の問題であろうと、まず体の中で副腎疲労になる原因を取り除き、体内の炎症を取り除いたうえで、大元の病気の治療をする。アメリカの抗加齢学会でもそのような流れになっていようです。

先ほどの、リーキーガット症候群も慢性的な腸の炎症ですから、副腎疲労にもなっていると言えます。

 

●先生は不妊治療の内科的なサポートもされていますが、内容を解説して頂けますか?

不妊の根底にある原因も他の病態と同じなのだろうと思っています。いわゆる現代型栄養失調症で、食事はとって、カロリーも満たしている。でも、大事なビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足しているという状態です。

あとはストレスの対応をしなければいけません。仕事もストレス要因になりますし、不妊治療自体も肉体的、精神的ストレスとなるのではないでしょうか。

そのほかに「夫のために子供を」というようなプレッシャーみたいなものもストレスになっていたりします。そういった面もフォローするためには、内科的なサポート+癒しが大切だと思います。

また、病院にかかって治療を受ける際には、「子供が生まれること」という以外に、費用や期間など、最終的なゴールやビジョンを持ってのぞむのもストレスを抑える1つの手段だと思います。

詳しくはオールアバウト不妊症の取材でお話ししましたので、ご覧いただければと思います。

内科的視点から支援できる不妊治療とは:オールアバウト不妊症
http://allabout.co.jp/gm/gc/463563/

 

 

●最後に

今回は長時間にわたり、たっぷりインタビューをさせて頂きましたが、それでも話し足りない内容だったように思います。
今まで無視されていた病態についての治療法や新しい視点での治療についてもお話を頂きました。

医療も日々進化しており、統合医療的な考えは今後どんどん広がっていくことは世界の医療の流れを見ても明らかです。
井上先生の柔軟な考え方は多くの患者さんにとって一つの大きな拠り所になると感じました。

井上先生、長時間のインタビューにも関わらず、真摯にお答え頂き、誠にありがとうございました。
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 

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【名医情報詳細】

クリニック名 ホリスティッククリニック横浜
住所 〒231-0005
神奈川県横浜市中区本町1丁目4番地 プライムメゾン横濱日本大通 3F
電話番号 045-212-0860
営業時間 受付時間 9:00〜18:00(土曜は 13:00まで)

月 火 水 木 土
 9:00~13:00 (最終受付12:30)

月 火 水 木
 14:30~18:00 (最終受付17:30)
ホームページ http://holistic-cl.com/

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この記事の著者

池上文尋

池上文尋

バブル期の外資系製薬企業に入社、3年間MR(医薬情報担当者)として勤務後、医療機関側の内部に興味を持ち、青森の医療法人事務長として2年勤務。その後、再びMRへ復帰。外資系企業を2社、合計9年を京都担当のMRとして勤務。
MR時代に趣味で立ち上げたMR-NETが徐々に広がりを見せ、MRに対しての情報発信やサポートに目覚める。勤務先の合併を機にMRを退職し、株式会社メディエンスの代表となる。

現在、オールアバウトジャパン「不妊症」ガイド、妊娠力向上委員会企画運営、MR-NET企画運営、医療機関広報コンサルティング、とMR時代に培った医療知識とITスキルを活用し、医療における分野で幅広く事業を展開中。

池上@自己紹介
http://www.medience.info/profile.html#2
オールアバウト不妊症治療ガイド http://allabout.co.jp/gm/gt/1831/
MR-NET http://mr-net.org/
株式会社メディエンス http://www.medience.info/

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